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善意で舗装された道をゆく

舗装された道はとても歩きやすい どこに続いているのかは知らない

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セミって頭おかしい

あいつらほんとミンミンすぎる。そんなに鳴かなくたっていいだろ。何でそんなになくんだ。

しかもあいつら、その小さいボディからしたら物理的におかしい気がする大きさの音を出す。大して動いてもいないのになんでそんなにデカい音が鳴るのか。絶対におかしい。

そして怖い。飛ぶのが下手くそすぎてこわい。どこに飛ぶのか予測不能で、そこそこ図体もあり質量もあるくせにめちゃくちゃに飛びやがるから避けきれない。デカい声でギャギャギャとわめきながら突撃してくるのとかほんと恐怖。当たるとバシッとなかなか衝突感があるし、何よりあのB級SFのモンスターみたいな手とか口のストローみたいななんかとんがったわしゃわしゃした感じの生き物が飛びかかってくるのがまじでこわい。セミの腹側のワシャワャしたデザインも相まってなんか食われそうな気がする。B級SFのモンスターに食われそうな時の気持ちが少しシミュレーションできてしまうくらいにこわい。ワシャワャワシャ、グシャグシャ、モシャモシャモシャ、ズボッ、チューチューチューとかされそうなイメージが瞬時に脳裏をよぎるから、あの予測不能な雑な飛び方がほんとこわい。夜帰ってきてマンションの入り口のドアを開けた瞬間にギヤギャギャギャとかいって襲いかかってくるともう軽いパニック。結局なんにもされないけどすげー腹が立ってくる。そういえばその昔、おじさんが公園でナンを使ってセミを捕まえてそのまま食べる映像が、公共の電波にのってテレビで放送されていたころ、それが大好きで学生時分の私は毎週かかさず観ていた。BOXセットも持っている。そこに出ていた人がこの前ゴジラで絶妙なタイミングでお茶を出していた。

しかしまあ、それにしたってセミは7年も土の中にいてやっと地上に出てきたら10日でおしまい というのを聞くと本当に気の毒だなあと思う。そんな残酷な話ってあるかとさすがに同情の念を禁じ得ず、だからこそセミ野郎どもの横暴を許してきたところがある。そうでなかったら私はあの騒々しさや危険な飛び方を許してはいない。あまりに気の毒すぎるから改めて調べてみたところ、誰かが書いたとある1フレーズが私の心を突き刺した。

「セミは死ぬ10日前になると、地面から出てくる」

衝撃が走った。私は今までセミは、土の中で7、8年我慢して耐えて耐えて、ようやく地上に出るも10日しかいきられない悲劇のアイツ だと思っていた。しかし、確かに見方を変えればそもそもセミの主な生活の場は土の中であると考えればなんということはない。土の中の人生こそがメインで、地上に出てミンミンやるのはもはや生涯のラスト、老後の楽しみであるのだと考えるとさほど気の毒ではない気がしてきた。なんだ。勝手に気の毒だと思ってたが、それなら良かった気もする。

いや、でもそうであるなら地上に出てからのヤツらの行動は許すことができないのではないか。私のこの貴重な昼休みの時間、クーラーで寒すぎる会社を抜け出し家から持ってきたおにぎりを暑い外で食べるこの至福のひととき、頃合いを見計らったかのようにすぐ頭上の木の枝にとまりミンミンやりだすクソセミ野郎め。まじで音がデカい。うるさい。ほんとどういう仕組みでこんな音が鳴ってるのか、何度説明を見ても納得がいかない。不思議。

しかしまあ、うるさいけど天気が悪くて鳴いてない時はとても寂しい気もする。時期的にもちょっと数が減ってきた。人間はなんかうるさいと盛り上がってる気がする生き物だから、夏の演出としてはまあありなのかな。無かったら絶対寂しいしな。

しかしうるさい。人が飯食ってるのに。こっちに飛んでくんなよ、お願いだから。